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2021.1.12
正月早々、インドの新聞（ネット版）トップを見て血の気が引いた。
「ソウラヴ・ガングーリーが心臓発作で病院搬送。ママタ（バネルジー州首相）ら病院に駆けつけ」
ああああああ、私も駆け付けたい！でもインドに行けない！
アミターブ・バッチャンが倒れて病院に搬送された（昨年のコロナ感染ではない）、記事を見て時以来の衝撃である。あの時は息が止まるかと思ったが、実はまだリアルタイムのネットニュースの時代ではなかった。たしか日本に届いたニュース雑誌を開いた瞬間に見つけたのだが、今から考えれば、バッチャンが本当に危篤であれば、雑誌が日本に届く頃には葬儀が行われていたかもしれない。もちろん、アミターブは現在も健在である。
その点、ソウラヴ搬送のニュースはリアルタイムの話だ。しかも、彼はまだ若い（当然、私よりも）。
ソウラヴはインド・クリケット界のレジェンドである。レジェンド・オブ・レジェンドのサチン・テーンドゥルカルが選手引退後はどこか微妙な立場にあるのに比べ、魑魅魍魎と陰謀政争のめくるめくインド・クリケット界で割にまともな重鎮として、今も存在感を放ち、尽力し、クリケット界に欠かせない人物になっている。現在は、インドのクリケットの総元締め組織、インド・クリケットボード（BCCI）の総裁である。なんたってBCCIは、世界クリケットの頂点にあるICCよりも実質的な権勢があるのだ（良い権勢とは限らないが…）。現役時代の同期で、こちらもユースのインド代表指導者として良い評価を得ているラーフル・ドラヴィドと並んでいると、テレビ画面の解説者席からでも今も超キラキラのオーラを放つ美中年の二人である。
そのソウラヴが心臓発作だと？！！！
自宅ジムで、エクササイズ中に気分が悪くなり、心臓の痛みを感じて病院に搬送されたという。コルカタ、ベンガルでは臨時ニュースが飛び交って、ファンでなくとも恐慌が広がったことが容易に想像できる。州首相や政界、財界の要人がこぞって病院に飛んで行ったくらいだから（病院と家族にはいい迷惑だ）。コルカタもコロナ感染が収まっていない。感染してない重病人がまともな医療を受けられるのか心配だが、どう考えてもトップの病院、トップの医師が治療に当たったのだろう。その見立てでは、心臓冠動脈に血栓が発見され、カテーテル（か何かで）動脈を広げる治療を行った。命に別条はなし。そして数日後には退院した。
血管が詰まるというのは…、日本の健康ネタで言うところの「血液ドロドロ」だったのだろうか？元はトップアスリート。長い長いテスト・マッチが盛んだった時代に現役だった人だから、当時のタフさと言ったらちょっと想像を超えていた。今でも現役と変わらぬ体形を維持し、お肌もツヤツヤ。書かれているように自宅にジムがあってトレーニングを欠かさなかったという。とすると、食生活か？家系的な体質か？仕事は激務で、ただでさえ忙しいのに、コロナの時世に対応するストレスも加わっていたことだろうから、典型的な働きすぎ中年の、身体の赤信号ということだったのだろうか？気にかけていなかった、とは考えられないが、もしかするとこれからは、アーユルヴェーダ食事療法とか、本人や周囲が大変なことになるんじゃないか、と妄想もする。
クリケット選手、特にファーストクラス選手（テスト・マッチのトップ選手の能力が認められている）は、あらゆる環境条件で長時間戦える柔軟かつタフな印象があるので、健康とか寿命とか考えたこともなかったが（ユヴラージ・シンが非常に特異な癌になったのは、特殊な例と見て）…、よりによって自己管理もきっちりできていそうなソウラヴとは…、考えさせられました！！！
