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2014.8.1発行、第430号
インドの著名ニュース雑誌のネット版コンテンツにこんなものがあった。何枚 かの画像フリップがセットになった紙芝居仕立ての時事モノ風刺ビジュアルといっ たもの。こんな感じだ。
１．インドはワールドカップ、ブラジル大会への出場を決めた。しかし辞 退を決定した
（まさか！と誰もが思うが、ウソではない。２を見れば理由がわかる）
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２．いつ？ 1950年、インドは（W杯）進出を決めた。ビルマ、インドネ シア、フィリピンが出場辞退して繰り上げになったので...
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３．そして我々（インド）も辞退した。なぜなら...
・チーム・メンバーの選考方法に問題があった
・準備不足だった
・渡航費が無かった
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４．現在、（インドにとって）出場は絶望的だ
（この文句に添えて、インドのFIFAランキングのグラフ。1994年=109位、 1998年=110位、2002年=127位、2006年=157位、2010年=142位、2014年=147位。最 高位は1996年の94位）
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５．インドがW杯本大会に自動的に出場する方法 それはインドでW杯を開 催することである
クリケット大国インドは、アメリカ、中国と並ぶサッカー不毛の大国と言われ てきた。ただし歴史的、局所的に（コルカタ、ケララなど）見れば正確な表現で はないし、昨今はスポーツ・チャンネルのサッカーの国際放送の人気はかなり高 い（注：インドは英国式に、サッカーはフットボール）。海外土産かバッタもん かと思われるレアルやマンUのジャージを着た子供も見かける。そして世界の大 国はサッカーも強くあらねばならない、という国の将来に向けた願望もある。 2014年ブラジル大会に対するインド・メディアの扱いは、前回に比べると手厚さ を増したように思う。
しかし、建国間もない国情の厳しさとともに、W杯など正直なんのことやらで あったろう1950年当時、行けるものを辞退したことが60年以上も経って癪に障る ことになるとは夢にも思わなかっただろう。同じ時期、インドの男子ホッケーが オリンピックで無敵の王者だったことは、今でも国の誇りとして語り継がれてい るのだから。
近い将来インドがW杯招致に立候補する可能性は決して低くはない。しかし、 経済格差から来るブラジルの反W杯、反オリンピック暴動や、今や公然と金でW杯 を買ったと糾弾されるカタールが悪しき先例になって、W杯を呼ぶハードルの高 さは少し前よりかなり上がってしまったかもしれない。
目次
・南アジア地誌事典 第206回 「ジョイの物語(3) これは、山に囲まれたインドの村、そこに生まれ育ったジョイのお話」 （袋井 由布子・文、武田 尋善・絵）
・私だけのインド料理講座、上級編、ヴェジタリアン料理 No.19 第5回 オディシャーその3「NARIYAL PULAO（ココナッツミルクごはん）」 （由 利 三）
