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　パソコンに向かって仕事をしながら、ネット受信のラジオで北米アイスホッケー リーグ（NHL）の中継を聞いていたら、手元のスピーカーから「マルホートラ！ マニー・マルホートラのゴール！！」という絶叫が聞こえてきました。インド関 係の原稿を書いていたので、耳の錯覚だと思ったのですが、実況中継のアナウン サーはその後も「マルホートラ」と言っているようにしか聞こえません。

　日頃あまりにもインド名まえに親しんでいるため、東欧とかアフリカとか、慣 れない名まえに「これ、ひょっとしてインド人の名まえが訛って読まれてない？」 といつも難癖つけてしまいます。フランスのサッカー選手にデサイーという人が いますが、映像を見るまではインド人のデサイーかな、と本気で思っていたこと がありました。カーン（Khan）のように、ヨーロッパの名まえとイスラム教徒 の名まえにあるものは、どちらもメジャーであるだけに、いきなり思い込んだり はしませんけど、シンならカタカナ書きだと、東アジア系（Shin、Xing）とイン ド系（Singh）のシンの区別がつきませんね。実際、アメリカあたりではサニー ・シンで中国系も、インド系も存在するでしょうね。名まえを先に聞いていて、 実際は東洋系のシンさんが出てきたら、ちょっとがっかりしちゃうかも（すいま せん）。他にも-karで終わる名まえなんかも気になっちゃうんですよね。

　で、問題の「マルホートラ」、インド映画の登場人物にもよーく使われるメジャー なインドの苗字ですが、実況は何度聞いても「マルホートラ」と聞こえるのです。 インド人のプロホッケー選手？、これは即調べましょう。ありました。インド系 カナダ人、ニュヨーク・レンジャーズ（名門チーム）にドラフトされ、現在はコ ロンバス・ブルージャケッツに所属、ポジションはセンター。へー、本当にイン ド人なんですね。ファーストネームのマニーはマニーシュかな、それともマノー ジとか... プロ・キャリアは10年近いようですが、トリノ・オリンピックのカナ ダ代表には入っていないので、中堅のロールプレーヤーというところでしょうか。
　アイス・ホッケーにはカリヤ兄弟というカナダの日系で、NHLのスター選手に なった存在もありますから、白人やアフリカ系に体格や体力で劣るエスニシティ でも実力を発揮する余地があるのでしょう。ブルージャケッツは比較的最近でき た新チームで注目度もイマイチなので、どうせなら贔屓のチームに移籍してくれ ないかなあ、と勝手なお願い。

　アメリカのメジャースポーツでは、野球のマイナーにインド系（ハーフか？） 選手がいたのを見たことがあります。日本でも日本人ダンサーが時々注目される プロチーム専属のチア・リーダーは、いろいろなエスニックを揃えることが配慮 されていることもあり、時々南アジア系のダンサーがいます。ルックスと踊りは 得意分野ですからね。

目次

・南アジア地誌事典・第117回　「アミット・ロイ宅訪問　コルカタ」（寺原　太郎）
・私だけのインド料理講座　中級編　「羊肉の団子ソース浸し」 （由利　三）
・「日本初、インド人学校(2)　---授業と交流」（柴原　三貴子）

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